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2003年10月号

台風が通過する度に、急に肌寒くなりました。あわててセーターなど秋冬物を出してきた人も多いのでは?
さて、10月1日は「衣替え」の日です。制服を着用する方は、すっかり秋冬の装いになっていることでしょう。そうでない人も「衣替え」を期に夏物を片付けて、衣類の入れ替えをする時期です。


衣替え

そもそも「衣替え」の始まりは、 平安時代中期にさかのぼります。「更衣」とも呼ばれていましたが、天皇の衣類をお世話する女官も「更衣」と呼ぶので、「衣替え」に変わっていったようです。

宮中や貴族達は年2回、素材や染めの色、扇の素材までも「夏装束」と「冬装束」に変えていました。

鎌倉時代になると衣類だけでなく、御簾(みす)や畳など室内の調度品も「衣替え」するようになりました。

江戸時代には、武家社会では季節の移り変わりに合わせて年4回の「衣替え」が定められ、それが庶民にも広まってゆきました
この年4回の素材選びは、今でも和服のしきたりに残っています。10月〜5月は袷(あわせ)、6月と9月は単衣(ひとえ)、7月と8月は薄物といった具合です。ただ真冬に関しては、暖房効率の低い江戸時代のことですから、綿入れの着物を着たようです。
絵柄も、季節に合ったものか、季節を少しだけ先取りしたものを着る方が洒落ていたようです。

明治時代には、学校や官公庁などで制服を着用するようになり、年2回(6月1日と10月1日)に「衣替え」を行うようになり、それが現在でも続いています。

それにしても、日本の文化は素晴らしいですね。四季がはっきりしているからかもしれませんが、季節の移り変わりを楽しみ、それを衣食住に取り込む。それには、自然を感じ、愛でる心がなければできません。日本人として、昔から受け継がれてきた、この心を大切にしたいものです。

もう「衣替え」は済みましたか?
季節が終わった服は、念入りに洗濯をして(必要ならクリーニングに出し)、収納箱にしまう。「衣替え」は衣類を大切にするためにも、とてもよい風習だと思います。

あなたのタンスに数回しか着ていない服はありませんか?タンスの奥で、カビや虫食いしているかもしれませんよ。
あまり着ない服はリサイクルに!女性物は流行に左右されるデザインが多いので、早めに判断した方がいいですよ。
逆にいつも好んで着ている服もあるはずです。気に入った服だからこそ、来年も着れるように手入れをして休ませてあげましょう。

防虫剤◆
この時期よく売れるのが「衣類の防虫剤」です。特に年輩の方は、よく使います。昔は衣類を大切にしましたし、絹やウールなど天然素材が多かったこともあるでしょう。でも今は衣服の価値や素材だけでなく、とりまく環境も変わってきています。
昔は通気性のよい家に住んでいましたから、あの臭いナフタリンや樟脳の香りも、気にならなかったかもしれません。
しかし今は気密性が高く冬でも暖かい家に住んでいますから、防虫剤が温められて揮発しやすくなり、知らないうちに部屋の中に充満していることもあり得ます。環境ホルモン(内分泌撹乱物質)が問題になっていますが、これでは自分自身がその原因を招いていることになってしまいます。

現在の防虫剤は、ピレスロイド系が多くなり、パラジクロルベンゼン、樟脳、ナフタリンなどは少なくなってきています。ピレスロイド系は臭いがないので人気があるようですが、その分その危険性に気が付かないこともあります。
メーカー側の説明では、「防虫剤は気密性の高い衣装ケースに使用することを想定して作られているので、タンスやクローゼットで使用すると、揮発した成分が漏れ出て室内汚染の原因になるので、換気を行うように」とのこと。
それから、種類の違う防虫剤を一つのケース内で使用することも危険ですし、防虫剤が高温で揮発してプラスチックのハンガーが溶けてしまった例もあります。

防虫剤だけでなく、とにかく便利になった世の中ですが、長い目で見て本当に自分のためによいのか、考えさせられますね。


ナチュラル派の防虫
今月は「商品研究ROOM」はちょっとお休みして、防虫作用のあるハーブやエッセンシャルオイルの御紹介をします。

防虫剤を使う前に・・・
・まずはしっかりと洗濯して、よく乾かすこと。
・クリーニングから戻ってきた服は、袋をはずし、
 風にあててからしまいます。
・密閉する

この「密閉する」が大切で、気密性の高い衣類ケースやポリ袋をテープで密閉したり、今時は掃除機で真空にする袋も売っていますね。
またビニール袋の色を黒にするとより便利で効果的です。天気のよい日に袋ごと直射日光に2時間程あてます。その後、いったん袋から出し、ホコリ(ダニの死骸なども)を払ったり掃除機で吸い取った後、改めて袋に入れて密閉する。

防虫作用のあるハーブやエッセンシャルオイル
ハーブやエッセンシャルオイルで衣類を守りましょう。香りもよく、化学物質が苦手な方にも安心してお使い頂けます。

ラベンダー

ヨーロッパでは昔からラベンダーのサシェを肌着の引き出しに入れて防虫していました。香りがよく、防虫の他、カビなどの菌の繁殖を防ぐ作用があります。

クローブ
昔から伝えられている、オレンジ全体にクローブを差し込んだ「ポマンダー」が有名ですが、香りもスッキリとしていて、虫避けとしても使用されていました。
ミント
ミント類の成分であるメントールを使った衣類の防虫剤やスプレーが出回っています。誰にでも好まれる爽やかな香りですが、この香りを虫は嫌います。
ローズマリー
殺菌作用があり、昔から空気の浄化や食品の保存を助けるために使われてきました。カビなどの菌の繁殖を防ぐ作用があります。
サザンウッド
虫を追い払うため体につけたり、飲ませて寄生虫を駆除する時に使われてきました。また枝や葉を衣服の間にはさんで防虫としても。レモンのような香りがするので、子供にも好まれます。
コットンラベンダー
(サントリナ)
ラベンダーと言っても、誰もが知っているあのラベンダーの種類ではありません。
フランスでは、衣類・リネン類・書物に虫がつかないように、よく使われたキク科のハーブです。
パチュリ
インドでは、昔から防虫としてサリー用の布の間に葉をはさんだり、パチュリのサシェを使用していました。それが植民地時代には、カシミヤなどの輸出箱には必ずパチュリを入れたことから、ヨーロッパではそのオリエンタルでエキゾチックな香りが大流行したそうです。
ベチバー
ベチバーもパチュリと同じく、インドでは昔から使われ、輸出とともにヨーロッパに伝わった防虫ハーブです。
カンファー
(樟脳)
日本語の「樟脳」と聞けば、すぐにその防虫作用を思い浮かべるでしょう。
しかし成分のケトン類は人体に強力な作用があり、人によっては症状を悪化させることもあることから、アロマテラピーでは、あまり一般的に使われなくなってきています。
ただ、このカンファーが昔から世界中で防虫に使われてきたことをお伝えしておきます。
その他

<その他、防虫作用があると言われているハーブ>
レモングラス
ユーカリ
シトロネラ
シダーウッド
シナモン
ゼラニウム
タイム
ローレル
ティーツリー
レモンバーベナ

ハーブの使い方
上記のハーブをお好みで混ぜ合わせ、布袋やお茶パック(不織布の小袋)などに詰めてサシェを作り、衣装ケースやタンスに入れます。 面倒な場合は、ティッシュに包んでも。

エッセンシャルオイルの使い方
上記のエッセンシャルオイルを、サシェやコットンなどに2〜3滴染み込ませ、衣装ケースやタンスに入れます。シミや傷みの原因になるといけませんので、オイルが直接衣類につかないように。ティッシュに包んでもよいと思います。

ただエッセンシャルオイルは揮発性が高いので、その作用は長くは続きません。密封ケースの場合でも2〜3ヶ月で、またエッセンシャルオイルを足した方がよいです。

ミツロウを使って防虫剤を作る方法もあります。これなら長持ちします。
クリームや練り香水を作る時のように、ミツロウを湯煎で溶かし、上記の防虫作用のあるハーブの粉末やエッセンシャルオイルを混ぜ合わせます。肌に使うわけではないので、濃度を高く作るのがコツ。固さも植物油を適宜に混ぜて下さい。植物油は酸化しにくく、香りのないオイル(精製ホホバ油など)を使いましょう。
固まる前に容器に入れ、それを衣装ケースやタンスに入れます。容器の上に衣類が被さったりして、衣類が直接当たらないように注意。
数ヶ月して香りが弱くなったら、また溶かしなおして、ハーブやエッセンシャルオイルを足して混ぜます。



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