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<訶梨勒とは>
「訶梨勒」とは、本来インド産で25メートル程に成長するシクンシ科・ミロバランの植物の名称です。原植物名は「Jerminalia
Chebula
Rerzius」で、梵語「haritaki」と言います。
この植物は、枝先に群がるように白い花をつけ、実子と丸い2〜3センチ程の訶子・インド名をMyrobalanと呼ばれる乾果をつけます。
訶子はタンニンやケブリン酸を含み、収斂・駆風・咳止め・声がれ・眼病・止潟薬として、古くから重宝されていました。
正倉院には鑑真和尚が持ち帰ったと言われる、訶梨勒が納められているそうです。
東山文化の栄えた室町時代には、それまで糸でつないで使っていた訶子を袋に納めるようになりました。それが形を変え、訶子や訶子をかたどった象牙・銅玉・石など美しい布袋に納め、新年や慶事の床の間や柱に飾るようになりました。室町幕府八代将軍・足利義政の頃の書物に、書院の柱に「訶梨勒」が飾られたと言う記述が残っています。
いづれにしても、諸病を治す貴重な薬だった「訶梨勒」の訶子の効力を尊び、無病息災を願い飾るようになったと思われます。
現在では、お祝い事のお茶席に飾られたり、香り袋として使われています。
<訶梨勒の作り方>
「訶梨勒」は訶子を含め、1年の月の数を示す12種類(又は12の倍数、閏年は13種類)の香木やスパイスなどを天貝帳と言う和紙に包んで布袋に納め、美しい紐で吊り下げます。
袋は果実の実りや生命力を表し、五色の組み紐を使う時は「陰陽五行」を、白は「訶梨勒」の花を、四つの結び目は「四季」を表しています。
1、訶子(カシ)
「訶梨勒」に必ず入るのも。
丸い乾実を砕くと酸味のある香りがします。
2.竜脳(リュウノウ)
フタバガキ科のリュウノウジュから採取。清涼感のある半透明の白い粉末又はフレーク。 消炎・鎮静・鎮咳などの効果をもつ。楊貴妃の愛用した香りのひとつ。
3、沈香(ジンコウ)
ジンチョウゲ科の植物の樹脂の多い部分。
様々な条件が重なった時だけ見つかる貴重な香木。
最高級のものを「伽羅」と呼びます。
4、白し(ビャクシ)
ヨロイグサ。セリ科独特の苦い香りが知的な印象。
鎮痛・止血・歯痛に効果をもつ。
5、薫陸(クンロク)
インド産で「白乳香」「乳頭香」とも呼ばれ、良質のものは帯黄ろう色。
石のように見える樹脂で、岩手県産のものは褐色をおび成分が多少異なる。
浮腫に効果をもつ。香料としても使用。
6、かっ香(カッコウ)
パチュリ。フィリピン産のシソ科の多年草であるカワミドリを乾燥させたもの。
特有のしみ通るような香りがあり、気分爽快・風邪に効果あり。
四角い茎もすべて刻んで使用する。
7、甲香(コウコウ)
貝香・流螺(るでん、らでん)とも呼ぶアカニシという巻き貝のふた。
砕いて粉にし、燻香用に用いる。
8、甘松香(カンショウコウ)
ヒマラヤ産のオミナエシ科の甘松の根や茎を乾燥させたもの。
健胃の効果があり、燻香に用いる。
9、大茴香(ダイウイキョウ)
八角・スターアニスとも呼ぶ。東南アジア産のモクレン科の常緑樹の果実。
その形から末広がりを願って加える。
10、丁字(チョウジ)
クローブとも呼ぶ。インドネシア産のフトモモ科の植物のガクを乾燥させたもの。
11、白檀(ビャクダン)
サンダルウッドとも呼ぶ。マレー半島からインドに分布する常緑樹。
木そのものに芳香がある。
12、安息香(アンソクコウ)
ベンゾインとも呼ぶ。エゴノキ科の安息樹の幹を傷つけて採取する樹脂。
閏年は下記を加える
13、茴香(ウイキョウ)
フェンネルとも呼ぶ。ヨーロッパ地中海原産のセリ科の植物で全草が特徴ある芳香を放つ。
上記の13種類の中で入手しにくいものがあります。訶梨勒の訶子は漢方薬として売られていますが、最近は入手しにくいようです。沈香は品質の差が大きく、普通は大変高価なものです。
すべてを揃えることは難しいと思いますので、お手元に揃ったもので作ってみて下さい。
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